自己破産又は個人再生のデメリット
第0 目次
第2 閲覧・謄写によりプライバシーを侵害される可能性があること
第3 将来7年間,原則として再度の免責を受けられなくなること
第4 ヤミ金がすり寄ってくる可能性があること
第1 官報に掲載されること
1 自己破産又は個人再生の事実は官報の「裁判所公告」欄に掲載される結果,官報掲載情報として7年間又は10年間,信用情報機関にも登録されることとなります。
2(1) 官報とは,独立行政法人国立印刷局が,土日祝日を除いて毎日発行する日本国の機関誌をいい(通常は32頁の「本紙」及び32頁超過分を掲載する「号外」からなります。),明治16年7月2日から発行されるようになりました。
官報は,①官報及び法令全書に関する内閣府令(昭和24年6月1日総理府・大蔵省令第1号),及び②官報の編集について(昭和48年3月12日事務次官等会議申合せ)に基づいて発行されています。
(2) 国立国会図書館デジタルコレクションに戦前の官報の画像データが載っています。
3 直近1ヶ月分の官報についてはインターネット版官報でも閲覧できます。
4(1) 官報に公告された事実は,インターネット版官報における官報情報検索サービスという有料サービスを利用することで,閲覧することができます。
(2) インターネット版官報及び官報情報検索サービスは,平成29年5月8日にリニューアルしました(国立印刷局HPの「インターネット版官報、官報情報検索サービスのページをリニューアルしました。」参照)。
5 独立行政法人国立印刷局は,平成15年3月31日までは財務省印刷局であり,1万円札等の日本銀行券を印刷しています。
第2 閲覧・謄写によりプライバシーを侵害される可能性があること
1 破産債権者とは,破産債権を有する債権者をいい(破産法2条6項),再生債権者とは,再生債権を有する債権者をいいます(民事再生法86条1項参照)。
2 破産債権者又は再生債権者は,破産手続開始決定又は再生手続開始決定が発令された時点で(破産法11条4項,民事再生法16条4項),利害関係人として,裁判所に提出された記録を閲覧・謄写する権利があります(破産法11条1項ないし3項,民事再生法16条1項ないし3項)から,プライバシーを侵害される可能性があります。
しかし,貸金業者が裁判所に提出された記録を閲覧・謄写しに来た上で何か文句をいってくるようなことは,受任弁護士の経験上ありません(ただし,個人の破産債権者又は再生債権者が文句をいってくることはあります。)。
第3 将来7年間,原則として再度の免責を受けられなくなること
2 小規模個人再生の手続を通じて再び借金を整理することは可能です。
第4 ヤミ金がすり寄ってくる可能性があること
2 ヤミ金は,貸金業法3条に基づく都道府県知事又は財務局長(貸金業法45条2項参照)の貸金業許可を受けていない点で貸金業法11条1項所定の無登録営業に当たりますから,10年以下の懲役又は3000万円以下の罰金に処せられ,併科されることもあります(貸金業法47条2号)。
2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。